小児矯正について
Pediatric orthodontics
はじめまして、院長の岩井と申します。
このページを開いて下さっているということは少なからず小児矯正にご興味を持っていただいているものと考えます。
少々長くはなりますが私なりの小児矯正への考え方をここでお伝えできればと思います。
まずは、小児矯正はすぐに始められない場合があるということです。
お子様の性格や保護者の方の協力度、お口の状態(虫歯が無いか、ハミガキはできているか)等々、確認することは多くあります。
また、術者と患者様の信頼関係も治療結果を大きく左右します。
ハミガキが十分でない時期に装置を入れてしまえば、虫歯を誘発することもありますし、歯科医院に通っているのに虫歯ができてしまえば術者への不信感が生まれる原因にもなります。
お口の中に装置(異物)を入れることは大人でも大変なストレスです。
これが心身ともに未成熟な小児ともなりますと、保護者様の協力なしでは十分な効果は期待できません。
では、なぜ大変なこの時期にわざわざ矯正を始める必要があるのか。
それは矯正治療にとって早い時期から始めることが有利だとされているからです。
小児矯正は大人の矯正とは違い、成長に合わせた治療が可能です。
この成長をコントロールし、利用することでより少ない負担でより良い効果を期待することができます。
1人1人のお子様ごとに適切な時期は異なりますが、早いケースですと3~4才頃には矯正治療をスタートします。
ですが、前述の通り矯正治療をすぐにはスタートできない場合がございます。
ですので、先を見据えて早い時期から予防で通院することが重要だと私は考えております。
個々のケースや年齢に応じた詳細な説明のための無料相談も行っております。
必要の無い治療を勧めることや無理な勧誘は当院では一切致しません。
是非、お気軽にお声掛け頂ければと思います。

当院で行っている主な治療
Treatment
マウスピース型筋機能矯正装置
透明でやわらかいマウスピース型の矯正装置です。
歯並びの改善だけでなく、口周りの筋肉や舌の使い方を正しく導き、歯並びが悪くなる原因そのものにアプローチします。
マウスピース型筋機能矯正装置のメリット
- 取り外しができて衛生的
- 痛みが少なく、快適な装着感
- 悪習癖の改善にも効果あり
マウスピース型筋機能矯正装置のデメリット
- 終了後に本格矯正へ移行することがある
- 装着時間によって効果に差が出る

ムーシールド
子供の受け口(反対咬合)を改善するための比較的硬めの素材でできたマウスピース型矯正装置です。
主に就寝中に装着することで、舌や口周りの筋肉バランスを整え、顎の成長を正しい方向へ導きます。
ムーシールドのメリット
- 装置の装着が簡単で痛みが少ない
- 成長期の自然な顎発達をサポート
- 早期治療で効果が期待できる
ムーシールドのデメリット
- 上手く使用できない場合は効果が出にくい
- 後戻りの可能性があるため終了後も定期通院が必要

拡大床
取り外しができる矯正装置で、歯列の幅を少しずつ広げることで、歯がきれいに並ぶスペースを確保します。
中央にあるネジを少しずつ回すことで、歯列の幅を拡大していく仕組みです。永久歯が生える前の準備としても効果的で、子どもの成長期に最適な治療法です。
拡大床のメリット
- 歯列を広げて歯を正しく並べる
- 歯並びがガタガタになる前に予防できる
拡大床のデメリット
- 適応できる症例が限られる
- 拡大時に違和感や痛みを感じることがある

クワドヘリックス
上顎の歯列を横に広げるための固定式矯正装置です。
**ワイヤーが4つのループ(ヘリックス)**を持ち、歯の内側(裏側)に固定されます。
歯並びをきれいに整えるためのスペースを確保するのに適しています。
クワドヘリックスのメリット
- 固定式なので効果が出やすい
- 歯列だけでなく骨格の拡大も期待できる
クワドヘリックスのデメリット
- ハミガキが難しくなる
- 装置の違和感、痛みを感じることがある

リンガルアーチ
歯の裏側(舌側)に装着するワイヤー型の固定装置です。
主に奥歯に固定され、永久歯が生えるためのスペースを確保しながら、歯が動かないようにサポートする目的で使用します。
リンガルアーチのメリット
- 歯の裏側なので目立たない
- スペースを確保しながら歯の移動が行える
リンガルアーチのデメリット
- ハミガキが難しくなる
- 舌に当たりやすく違和感や一時的に滑舌が悪くなる可能性がある

急速拡大装置
急速拡大装置は、上顎の骨を横に広げるための固定式装置です。
上顎の中央部(口蓋部分)に取り付けられたネジを少しずつ回すことで、左右の骨を広げて歯並びを改善します。
急速拡大装置のメリット
- 骨格のアンバランスやスペース不足の改善
- 骨格の改善により呼吸が楽になるケースがある
急速拡大装置のデメリット
- 痛みや違和感が強い
- 装置が大きいため発音や飲み込みがしずらくなる

ツーバイフォー
上顎または下顎の前歯4本にブラケットを装着し、両側の奥歯(第一大臼歯)にバンドを固定して、アーチワイヤーで連結する部分矯正装置です。
「2×4」とは、2本の奥歯(第一大臼歯)と4本の前歯をつなぐ構造に由来しています。
ツーバイフォーのメリット
- 部分的な矯正に最適
- 比較的早い時期から個々の歯の調整が可能
ツーバイフォーのデメリット
- 治療期間が長くなるケースがある
- 適応期間が限られている

タングガード
舌の癖(舌癖)を防止するために口腔内に装着する装置です。
舌の過剰な前突や指しゃぶりを抑えることで、歯並びが崩れる原因を根本から改善します。
特に、**出っ歯や開咬(上下の前歯が噛み合わない状態)**の改善に効果があります。
タングガードのメリット
- 癖の矯正による歯並びの改善
タングガードのデメリット
- 装置が大きいことによる違和感
- 装置を外した後の癖の再発の可能性

リップバンパー
下顎の奥歯に固定され、前歯の前面にワイヤーが通る矯正装置です。
唇の圧力が直接前歯にかかるのを防ぎ、筋の自然な力を利用して歯列を広げる役割があります。
特に、下顎の歯並びがガタガタしているケースや、前歯が内側に倒れている場合に効果的です。
リップバンパーのメリット
- 筋肉の力を利用して自然に拡大
- 取り外しが可能
リップバンパーのデメリット
- 装着時間が短いと効果が出にくい
- 装着時間が長い

ヘッドギア
上顎の成長をコントロールし、前歯の突出を改善するための矯正装置です。
主に上顎が前方に突出している場合(出っ歯)や、上顎と下顎のバランスが悪いケースに用いられます。
頭部や後頭部からゴムバンドやベルトで固定し、歯に直接力をかけることで後方へ引っ張る力を与えます。
ヘッドギアのメリット
- 上顎の成長をコントロールできる
- 上顎の成長をコントロールできる
ヘッドギアのデメリット
- 長時間の装着が必要
- 装置が大きく外観が悪くなる

前方牽引装置
上顎の成長を促進するための装置です。
頭部やおでこ、顎に固定するマスク型の装置と、歯に装着したバンドをゴムで連結して使用します。
主に骨格的な問題で上顎が劣成長している場合に使用します。
前方牽引装置のメリット
- 上顎の成長を促進できる
- 取り外しが可能
前方牽引装置のデメリット
- 装着時間が長い
- 装置が大きく外観が悪くなる

マルチブラケット装置
各歯の表面にブラケットを接着し、ワイヤーを通すことで歯を動かす矯正装置です。
1本1本の歯を正確にコントロールできるため、ガタガタの歯並びや噛み合わせの改善に非常に効果的です。
マルチブラケット装置のメリット
- 幅広い歯並びの乱れに対応
- 精密な歯のコントロールが可能
マルチブラケット装置のデメリット
- 歯の表面に装着するため、装置が目立つ
- 歯磨きがしにくい
- 食事がしにくい

アライナー矯正
透明なマウスピース型の矯正装置を使って歯を少しずつ動かす治療法です。
ワイヤーやブラケットを使用しないため、目立たず快適であり、取り外しが可能です。
アライナー矯正のメリット
- 透明な装置で目立ちにくい
- 取り外しができて衛生的
- 金属アレルギーの心配がない
アライナー矯正のデメリット
- 装着時間が不十分だと期間が長くなる
- マルチブラケット装置に比べ適応症例が少ない
(改善傾向にはあります)

リテーナーの重要性
Retainer


矯正治療が終わったあと、きれいに並んだ歯はそのままだと元の位置に戻ろうとします。
それを防ぐために必要なのが、リテーナー(保定装置)です。
リテーナーは、歯を動かしたあとの位置に安定させる大切な装置。
矯正の「仕上げ」として、きれいな歯並びを長く保つために欠かせません。
使用期間の目安は2~3年ほど。
特に矯正後すぐの半年〜1年は、毎日しっかり装着することが大切です。
せっかく整えた歯並びを守るために――
「矯正が終わってから」もサポートいたします。
口腔筋機能療法(MFT)
Oral Myofunctional Therapy
近年注目されているのが「舌」や「唇」などの癖=口腔習癖(こうくうしゅうへき)**です。
実は、舌の位置や動かし方、飲み込み方、呼吸の仕方などが正しくないと、
歯並びに常に外からの力がかかり続けてしまい、矯正後の歯が元に戻ろうとする力を生み出します。
MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFTは、舌・唇・頬・呼吸などのお口まわりの筋肉を正しく使えるようにトレーニングする療法です。
矯正とあわせてMFTを行うことで、
歯並びを乱す原因となる癖を改善し、きれいな歯並びを安定してキープしやすくなります。
こんな癖があったら注意が必要かもしれません
- 口がぽかんと開いている(口呼吸)
- 飲み込むときに舌が前に出る
- 発音が不明瞭(特に「さ・た・な行」)
- 唇を噛む・吸う癖がある
これらは知らず知らずのうちに歯並びに影響を与えることがあるため、
矯正治療とあわせて口腔機能のトレーニング(MFT)を取り入れることがとても大切です。
※当院では衛生士、看護師等の資格持ちかつ、院外での講習または外部講師による院内講習を履修終了したスタッフのみが対応いたします。
料金表
Price

※症例により金額が変わるため、目安となります詳しくは直接お聞きくださるようお願いいたします。
矯正料金のお支払い方法は、利息のかからない分割払いも可能です。
お支払い方法に関しましてはお気軽にご相談ください。